『2才児のさんすう』と『1・2・3』
2020/02/23
ピグマリオンメソッド創設者・伊藤恭先生の書き下し本『2才児のさんすう』を参考にし、数能力を育てているという保護者によく出会います。
『2才児のさんすう』には、「2〜3才児の数教育は、教える教育(知識の教育)であってはならない。幼児期の教育は、学ぶ教育、すなわち学育(創造の教育)でなければならないのです。」と書かれています。
みかん1個、ネコ1匹、鉛筆1本、紙1枚、1日、自動車1台、絵本1冊など、これらは全て『1』です。色、形、大きさ、量、古さ、長さ、重さなど、どれをとっても共通なところがありません。しかし、それらは全て『1』です。つまり『数は、教えられない』のです。まず、子供たちと接する大人が、『数』は教えられないと言うことを認識し、子供が『数』を認知できるよう指導することが大切です。そうすれば、子供は色々な事実の中から『数』を発見し、『数』を創造することができるようになります。
日ごろのレッスンにおいて、2〜3才児に「1・2・3」を教えることは難しいと痛感しています。『数能力』は、決して1、2、3…と繰り返しの数唱や指折り・指差しを行い、数の処理方法を覚えさせることで身につくような簡単なものではありません。あらゆる能力を刺激しながら集合数「1・2・3」を実感させることにより、子供が「1・2・3」を認知し『数』として処理することができる『数能力』の基礎が育っていきます。
ピグマリオン教育において最も大切にしている知能の一つ『数論理能力』は、抽象化する能力、創造する能力、問題を解決する能力に支えられ作られた能力と言えます。この能力は、後天的な能力であり、教育なく身に付く能力ではありません。幼児期から適切な刺激を与えれば驚くほど育ちます。ピグマリオン教育では、『数』を独立したものと考えず、『図形・空間能力』と『思考方法』を共に育てます。その結果、小学校入学までに4桁の加減計算(例えば、6173-3284のひき算)が解ける能力が身につきます。